書名:クスノキの番人
著者:東野圭吾
出版社:実業之日本社
出版年:2020年
東野圭吾さんの著書を拝読するのは、「ナミヤ雑貨店の奇蹟」(感想文は2024年2月13日ブログ投稿)に続き2冊目です。前回拝読した著書と同様、一文一文が比較的短くて読みやすい本です。こういう文章は、作文のお手本になります。
主人公の青年は職場を3か所転々としました。いずれもクリーンな職場ではなく挫折の連続で、とうとう犯罪に手を染めて警察に逮捕されてしまいます。
救ってくれたのは主人公の伯母です。伯母は長年にわたり「クスノキの番人」を務めてきました。救われた主人公はその役目を引き継ぐこととなります。
クスノキの老木は、とある神社に祀られ、その木に祈れば願いが叶うと世間に広まっています。いったいクスノキがどんな神秘的な力を持っているのか、主人公はまったく知らないまま、その番人を務めます。
主人公の伯母は一角の人物で誠実な人柄でもあります。彼女の指導の下、自暴自棄となっていた主人公は、しだいに考えを改めしっかり成長していきます。
家族の問題、病気の問題、会社の経営問題など、重みのあるエピソードが物語に盛り込まれています。そういうエピソードと相まって、クスノキの謎も解かれていきます。
謎が明らかになってくるにつれて、拝読するスピードが加速していきます。心温まるストーリーでした。
入った職場によって、人生は概ね決まる可能性があります。とくに、良い指導者に恵まれるかどうかが重要です。主人公は誠実な指導者と言える伯母にお世話になることができ、希望を持てるようになりました。
ブラックな職場は早い段階で見切りをつけるべきでしょう。ただし、職場環境よりも自分自身に問題があると考えられる場合は、自省することが必要だと思います。