株式会社北の達人コーポレーション創業者、木下勝寿(きのした かつひさ)さんの著書「売上最小化、利益最大化の法則」(ダイヤモンド社 2021年)を拝読した。この著書は、一言でいうと、売上ではなく利益を追求することの大切さを教えてくれる。
同社は有名ではないけれど、健康食品や化粧品を中心に製造し通信販売している上場企業である。むやみに広告をせず、製品に興味のない人は知らない会社である。製品を必要とする顧客に対するプロモーションを効率的に行なっているためである。有名でないことが、「同社が適切な人にマーケティング施策を打つことができている」という証なのだ。
この著書を読了すると、利益を重視した企業経営の本だということがわかる。部分的には、企業理念の本であり、利益管理に焦点を当てた会計の本であり、商品開発の本であり、ターゲットとする顧客を絞った広告戦略の本であり、継続購入を促進する戦略の本であり、さらに内部の人材戦略に関する本になる。
リスクは利益ではなく、売上に比例して高まると、著者は言う。だから、売上の増加よりも無駄なコストを抑えて利益を増大させることに着目すべきだと説かれる。
最初は手元資金1万円でスタートさせた事業である。そこから年商100億円、利益率29%となった秘密、高利益体質をつくるノウハウが公開されている。
一般的に売上至上主義の会社が多い。売上を伸ばした後、利益を増やそうとする。
しかし、売上が増えても、利益が増えるとは限らない。売上が増えると、リスクは確実に高まる。売上は利益を生むためのプロセスにすぎないのだ。
著者の会社と業種が異なっても、示唆に富み、経営のヒントが満載された1冊である。