仕事力

心に響く自己啓発

アイデアを考えるのにふさわしい環境はあるのでしょうか?

外山滋比古さんが著された「思考の整理学」(ちくま文庫 1986年)に次のような話が記されています。

その昔、中国に欧陽修(おうようしゅう)という人が、文章を作るときに、すぐれた考えがよく浮かぶ三つの場所として、馬上、枕上(ちんじょう)、厠上(しじょう)をあげた。これが三上である。

馬上は乗り物の上、今なら、電車やバス、車の中のことです。ただし、車の運転中は、事故を起こさないよう考え事をせず、運転に集中すべきでしょう。

枕上は寝床の中のことです。

厠上はトイレの中のことです。

前例がある事案、考える手順が決まっている事案であれば、デスクで考えるのが適切でしょう。ですが、新しい発想を必要とする事案については、デスクで書類とにらめっこしても、なかなかはかどりません。

馬上については、通勤電車の中でふと思いついて会社を動かしたことを、僕は体験しています。電車で座って目をつぶっていると、枝葉の部分が頭の中から消え、幹となる部分のみをつなぎ合わせると、良いアイデアが浮かんだのです。さっぞく会社で具体的な案を作ると、あれよあれよという間に、会社を動かしてしまいました。それは、前任の時代から解決しなかった事案なのです。

枕上については、外山滋比古さんは、目が覚める頃に良いアイデアが浮かぶと、先人の作家や学者を例にして述べています。一方、寝る前にあまり考えてはいけないそうです。どうせ大した考えも浮かばないし、何より寝つきが悪くなるからです。

原辰徳さんも、お父さんに「布団のなかで考えるな。考えるなら、起きて考えよ」と、教えられたそうです。

僕は朝方、たいてい、懸命に仕事をしている夢を見ます。良いアイデアなんて浮かんだことがありません。2022年の元旦は、心待ちにしている家族が一堂に集う夢を見ました。そこまでは良かったのですが、「孫を叱る」との僕の一言で、僕が家から放り出される夢でした。

僕の能力が不足しているのでしょうか。それとも、素晴らしいアイデアが浮かぶ環境は、人それぞれなのでしょうか。

僕がまあまあ面白いアイデアに気づくのは、ボーッとしている時か、その事案とは別のことをしている時かでしょう。アイデアは記録しておかないと、すぐ忘れてしまいます。いつ、どこで、天からアイデアを授かるか、わからないので、外出する時も寝る時も、メモを持っています。

メモ用紙としては、裏が白紙の折込チラシなどを小さく切断して使っています。その用紙を名刺入れ程度の大きさのものに入れて、持っているのです。そして、アイデアに気づいた時は、忘れないうちに、後で読める程度の字でメモに記入しています。

いずれにしても、デスクでじっと座っていても、素晴らしいアイデアは生まれないと言えましょう。

 

coco02hibi9.hateblo.jp

 

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