仕事力

心に響く自己啓発

2023-01-01から1年間の記事一覧

「星の子」を読んで

書名:星の子 著者:今村夏子 出版社:朝日新聞出版 出版年:2017年 主人公は、高校受験を控えた中学3年生の少女、林ちひろです。ちひろが両親から聞いた話は、次のとおりです。 <幼い頃は虚弱でした。生まれてから3か月近くを保育器のなかで過ごしました…

欠点を克服するには?

ヤクルト・スワローズの名キャッチャーとして活躍された古田敦也さんは、順風満帆の野球人生を送られたものと思っておりました。古田さんの著書「『優柔決断』のすすめ」(PHP新書 2009年)を読んで、彼は大きな欠点を乗り越えて大成されたことを知りまし…

「その日の100点」とは?

孫への接し方をもう少し工夫できないだろうかと、僕は思いました。そこで、カリスマ保育士として有名な「てぃ先生」の著書を読んでみることにしました。てぃ先生は、関東の保育園に勤める男性保育士です。 「カリスマ保育士てぃ先生の 子育てで困ったら、こ…

比率の重みを実感できる「70の法則」

このたびの新型コロナウイルス流行の経験では、感染者数がジワジワ増え続け、いつの間にか感染者が恐ろしい数に膨れ上がり、医療体制がひっ迫しました。比較的小さな増加率だとあまり気にしませんが、気がついた時には大きな数字になります。加速度的な増加…

つらい計画を先延ばししないためには?

経済学者の大竹文雄さんの著書「行動経済学の処方箋」(中公新書 2022年)によりますと、夏休みの宿題をいつ頃やったかについて、大阪大学でアンケート調査を行ったことがあるそうです。7割以上の人たちが夏休みの終わりの頃に宿題をしていました。最初は夏…

「隠れた資産」とは何か?

日本のスキー・スノーボード人口は1998年の1800万人をピークに減少を続け、2020年には430万人にまで減少しています。さらにコロナ禍が追い討ちをかけ、スキー場業界は厳しい経営環境に直面しています。 和田寛さんは株式会社岩岳リゾートの社…

「むっちゃ夢中」になれますか?

2023年2月27日(月)の「プロフェッショナル仕事の流儀」は、「平凡な日常は油断ならない~歌人・俵万智~」という番組でした。 俵さんの「努力できるということも実力のうち」という言葉が印象に残っていることもあって、この番組を録画して視聴しま…

「伝える」と「伝わる」の違いは?

コンサルタントの室井俊男さんの著書「『できる上司』と『ダメ上司』の習慣」(明日香出版社 2013年)の中に、次のような習慣の違いが記されています。 できる上司は「伝わる」を重視し、ダメ上司は「伝える」を重視する。 「伝える」と「伝わる」は違うので…

「無知の知」の意義とは?

古代の哲学者、ソクラテスは、「無知の知」を考え方の原点としていました。無知の知とは、自分がわかっていないことを自覚することです。このことが正しく物事を考える場合の土台となっています。「わからないこと自体がわからない」状態より、「わからない…

「エンデュアランス号漂流記」を読んで

書名:エンデュアランス号漂流記 著者:アーネスト・シャクルトン 出版社:中央公論新社 中公文庫 出版年:2003年 「求む男子。至難の旅。わずかな報酬。極寒。暗黒の長い日々。絶えざる危険。生還の保証なし。成功のあかつきには名誉と賞賛を得る。」 これ…

「銀河鉄道の父」を読んで

書名:銀河鉄道の父 著者:門井慶喜 出版社:講談社 出版年:2017年 この本は、宮沢賢治の父、宮沢政次郎を主人公とした物語です。 長男の賢治は、「雨ニモマケズ」を始めとした文学作品から見て謹厳実直なイメージがありますが、この本を読んで、そのイメー…

敵をつくらないためには?

掛川市長の久保田崇(くぼた たかし)さんは、著書「官僚が学んだ究極の組織内サバイバル術」(朝日新書 2022年)の中で、敵をつくらないためにデール・カーネギーの名著「人を動かす」で学んだことを社会人になってから実践したと述べています。 とくに「人…

職務権限の源泉とは?

「そもそも権限はどこから発生するのだろうか」「部下はなぜ上司の命令に従うだろうか」という疑問について、諸説あります。代表的な三つの説を紹介します。 1 権限法定説 権限委譲の源はすべて上位の地位にある者にさかのぼると考える説です。課長は自分の…

論文を読む:ブルーオーシャン戦略

論文名:ブルーオーシャン戦略 著者:W.チャン・キム、レネ・モボルニュ 出典:ハーバード・ビジネス・レビューBEST10論文 ダイヤモンド社 2014年 発表年:2004年 【あらまし】 ビジネスの市場には「レッド・オーシャン」と「ブルーオーシャン」が存…

「そして、バトンは渡された」を読んで

書名:そして、バトンは渡された 著者:瀬尾まいこ 出版社:文藝春秋 出版年:2018年 主人公の森宮優子は、生みの親、育ての親を含めて父親が3人、母親が2人います。名字も、水戸、田中、泉ケ原、森宮と変わりました。親戚を転々とすることは考えやすいで…

福澤諭吉が費やしたサンクコストとは?

サンクコスト(埋没費用)とは、すでに使ってしまって取り返しようがない投資額や時間のことを言います。たとえば株式投資をしたが、株価が下り回復する可能性がないとき、その投資額がサンクコストと言えます。基本的に、回収できる見込みがないなら、サン…

「自ら情報を遮断してしまう壁」がある

養老孟司さんは著書「バカの壁」(新潮新書 2003年)の中で、自分から情報を遮断する壁が存在すると述べています。 北里大学薬学部の学生(当時、女子6割強・男子4割弱)に、ドキュメンタリー番組を見せたところ、著者はそう実感したとのです。イギリスの…

「働かない」ことに意義があるか?

アリは小さいけれどもよく働く、とくに働きアリは働き者だと思われています。しかし、進化生物学者の長谷川英祐(はせがわ えいすけ)さんの著書「働かないアリに意義がある」(メディアファクトリー新書 2010年)によると、集団には一定割合の「働かない働…

「ニュー・コーク」は大失敗か?

1985年4月23日、コカ・コーラ社は「ニュー・コーク」を発売しました。 日本では発売されなかったこともあって、あまり知られていませんが、アメリカではこれが炎上とも言える大騒ぎとなりました。 まず、コカ・コーラ社がこの新製品を発売した経緯を…

「コン・ティキ号探検記」を読んで

書名:コン・ティキ号探検記 著者:トール・ヘイエイルダール 出版社:河出書房新社 河出文庫 出版年:2013年 この本は、著者のヘイエルダールら6人のクルーがペルーから南太平洋のポリネシアまで古代と同じ造りの筏(いかだ)で漂流*1した体験記です。 著…

落ち込んだときには「十八番」に戻ろう

「十八番」という言葉は、「じゅうはちばん」と読むだけでなく、「おはこ」とも読まれています。角川国語辞典では、「じゅうはちばん」も「おはこ」も見出し語として、それぞれ記載されています。 「じゅうはちばん」で引くと、「①歌舞伎で、主として市川家…

論文を読む:「Jobs to Be Done:顧客ニーズを見極めよ」

論文名:「Jobs to Be Done:顧客ニーズを見極めよ」 著者:クレイトン・M・クリステンセン他3名 出典:デザイン思考の教科書 ダイヤモンド社 2020年 発表年:2016年 【あらまし】 ビッグデータ革命のおかげで、企業は、量、種類ともに膨大な個人情報を迅…

「マネー・ボール」を読んで

書名:マネー・ボール 完全版 著者:マイケル・ルイス 出版社:早川書房 ハヤカワ・ノンフィクション文庫 出版年:2013年 原著の発表は2003年で、これはイチローさんがメジャーリーグ入りして3年目、野茂英雄さんがメジャー通算100勝を達成した年に…

「しぶとさ」は大いなる武器か?

建築家の安藤忠雄さんは、大学に進学せず独学で建築を学んだ方です。 安藤さんの著書「安藤忠雄 仕事をつくる」(日本経済新聞出版社 2012年)によると、JR京都駅の大階段を見上げるたびに、優れた建築への素直な感動とともに、悔しさも込み上げてくるそう…

「愛なき世界」を読んで

書名:愛なき世界 著者:三浦しをん 出版社:中央公論新社 出版年:2018年 本村紗英(もとむら さえ)は、東京の本郷にあるT大の大学院理学系研究科の博士課程で学んでいます。藤丸陽太(ふじまる ようた)は、T大近くの食堂で働いている店員です。この本…

幸せであり続けることを願う

一昨日、我が夫婦は、孫たちと近隣のスーパーに行きました。買い物の目的は駄菓子です。 アンパンマンだの、トーマスだのと、てんやわんやの慌ただしさ。一人で行かず夫婦で見てやってよかったです。 ようやく買いたいお菓子が決まって、レジに並びました。 …

論文を読む:データと機械と人の力で最高の日本酒を造る

論文名:データと機械と人の力で最高の日本酒を造る 著者:桜井博志(旭酒造 会長) 出典:DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2021年3月号 ダイヤモンド社 発表年:2021年 【あらまし】 この論文は、純米大吟醸「獺祭(だっさい)」の誕生を通じ…